スタッフの永田です。
インクルささぐりの朝礼では「職員のショートスピーチ」の時間を設けています。
その日に出勤してきている職員全員が一人ずつ短時間でスピーチをする、という取り組みをしてきています。
これには大きく2つの目的があります。
1つ目は事業所職員として、一人一人が言葉を持つこと。
話題は問わないので、自分の言葉で体験したことや感じたこと、考えたことを述べるということを習慣とすることで、「伝える」「伝わる」言葉を使いこなせるようになってほしいという願いを持ってきています。
支援の基本は言語です。
記録も然り、利用者様とのコミュニケーションも言葉が基本です。
支援観など、どんなに洗練されているものを感覚として持っていても、それを言語化できないと届けることはできません。
ですから、「スピーチ」という形を取り、雑談とは違う形で言葉を選びながら話をするこの時間が、職員の育成につながると考えています。
もう1つは、利用者様への価値観の提供です。
このスピーチでは、前述したとおり話題は定めていません。
プライベートな時間で体験したこと、出会った本のシェア、時事ニュースについて、季節感のある話題…
とにかく自由な話題が出てきます。
私自身も聞いていて職員のことを知れる機会でもある貴重な時間です。
それと同時に、利用者様の価値観にも働きかけを期待しているところです。
例えば「週末こんなところに行ってきました」という職員の話題に興味を持って「自分も行ってみました」ということも出てくるのです。
職員のスピーチがきっかけで、ご自身の価値観の中だけでは出会わなかったであろう体験に結びつく可能性があり、これは間接的ではありますが、自立の助けにさえなると感じています。
職員は毎回スピーチ内容を用意するのに苦労しますが、「何も話すことがない、なんて生活をしているはずはない」と励まし合いながらスピーチに臨んでいます。
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